<教育目標>
美唄めぐみ幼稚園は、キリスト教の精神によって、ひとりひとりの生命(人格)を神から与えられたものと信じ、多様な個性(人格)を尊重した教育活動を実践します。この目標に基づいて、3歳児〜5歳児の異年齢保育(縦割保育)を約50年前から実践してきました。年齢によって機械的に区分されることのない、幼児期の自然な成長を育んでいます。

① 子どもの『遊び』は『学び』です
 幼児の生活も成長も『遊び』に基づき、『遊び』として現れます。遊ぶことを通して幼児は学び、創造し、感じ、考え、心を育てます。幼児期には、こうしたゆたかな遊びの時間・空間が保障されなければなりません。
美唄めぐみ幼稚園では、異年齢のこどもたちが自然にいっしょに遊んでいます。年少の子は、年長の子の遊びをまねていきます。「学び」とは「まねび」、つまりまねることから始まります。子どもの教師は子どもです。こうした遊びの体験を重ねる中で、積極性(やる気)と創造性(工夫)の心が育ち、みずから遊びを創るようになっていきます。自分で遊びを創って楽しみ、心満たされていくことによって、心も体もはぐくまれていきます。 

② 子どもは『自然(環境)』の中で育ちます
 子どもにとって、自然(環境)は最大の教室です。自然の恵みに気づき、感じる中で、人は自分自身も活かされ育てられていることに気づいて感謝し、喜びを覚えるものとなります。とりわけ、生命のいとなみと成長に触れ、その根源としての神様について考えるとき、人間を含めた生命の尊厳をたいせつにする思いが育ちます。

③ 子どもは『下に伸びる』のです
 太く高く、ゆたかに茂る大木は、地面の下にしっかりと根を張って全体を支えています。幼児期は、いわば根を張る時期です。双葉の時期(家庭での養育期)を終えて幼稚園に入ることは、植物の移植にたとえられます。この時期に根をしっかり育てることが、のちのちの人生がゆたかに展開していく支えとなります。たくさんの経験という栄養を吸収し、人生の根が『下に伸びる』の環境を整えることが幼稚園の役割です。美唄めぐみ幼稚園で、仲間と共にすごす日々の経験が、これからを支え、ゆたかに実らせる基盤となるよう、「根」の教育を大切にしています。

④ 命の尊厳は『平和をつくります』
 これからの時代、世界はますます緊密に結びつき、多様な人々と出会い、共に生きることが大切になるでしょう。人間社会だけでなく地球環境全体において、人間も動物も植物も、非生物も含めた多様な存在を尊重することも切実な課題となってきます。神が世界と命を創られたと受けとめて、すべての存在がそこなわれることなく平和にあることを尊重する思いをはぐくんでいきます。